タイ人オーナーとあわない

日本人オーナーは他にも会社やお店を経営しており、オープン後は基本的にタイ人の恋人にお任せ状態となりました。私はとにかくこのタイ人オーナーとあわず、衝突もしばしばでした。

例えば日本から輸入している刺身類を「もっと薄く切って利益率を高めろ」とか「タイの食材をもっと使え」とか料理にも指示を出してくるわけです。経営者サイドとして経費を削りたい気持ちはよく理解できますが、お客様に料理を提供する以上、お金をもらっているわけだし「おいしい」と思うものを食べてもらいたいと考え、頑として自分のやり方を譲ろうとはしませんでした。

またこんな問題もありました。それはお店の清掃が行き届いていないといった点です。従業員についてもなるべく経費をかけたくないと考え、トイレ掃除などがどんどん雑になっていきました。日本人はそうしたところに厳しく、結果としてお客さんの足が少しずつ遠のいていきました。

そもそもバンコクには次から次にお店が日本食のお店がオープンしており、そして次々とつぶれていくといったことが実態です。特にBTSトンロー駅やプロンポン駅周辺はお店の出入りが激しく、少し見ない間にお店が全く変わっていたなんてことも少なくありません。このエリアは家賃も高いので当然のことといえば、当然のことなのですが。

タイ人オーナーについても一応オーナーです。(完全なる名義貸しですが)タイでは会社立ち上げにあたりタイ人オーナーを立てなくてはならず、タイ人の協力なしには会社立ち上げは基本的に不可能です。名義貸しなども盛んに行われていますが、トラブルも耐えないことからタイ人の恋人や家族を名義人として立てることも多くみられます。

私としてもせっかく転職してお店を任せてもらったのに、こんなことの繰り返しでいいかげん嫌気がさしてきました。最後の方はこのタイ人オーナーについてはほぼ無視です。仕入れについても勝手にやっていたのですが、逆に勝手にストップされたり、仕事の邪魔をされたこともしばしばでした。