元同僚から声がかかる

私諭吉がタイ移住したのは、最初に就職したホテルの同僚から声をかけられたのがきっかけです。同僚とは入社当時から気があい、切磋琢磨してお互いの技術を磨くのに必死でした。2人で泣きながらがんばろうと誓い合ったのも懐かしい思い出です。やがて月日は流れ、お互い1人前の料理人となりそれぞれの場で活躍していました。

元同僚は学生時代の友人がタイで仕事をしていたことから、タイの首都バンコクにあるホテルの料理長として声がかかったのがきっかけでタイ移住を果たしました。私はその当時地元の高級料理店にいたので「海外から声がかかるなんてすごいな」といった心境で見守っていました。私は新婚旅行でハワイにいった程度で、海外にあまり縁がなくそんなに住みたい願望はなかったわけです。

それが一転、思わぬ離婚やタイ滞在でタイに魅力され本気でタイに住みたいと思うようになったわけです。またタイミングも良かったんだと思います。たまたま友人が勤務先のホテルをやめることや新しい日本人料理長を探していたことも大きなきっかけとなりました。もし自分で一からタイで就職先を探したり、友人がいない状況だときっとタイ移住は実現していなかったと思います。それと当時は離婚したばかりでやけくそじゃないんですが、あたって砕けろ精神がありました。

友人に面接を受けてみたい旨伝え、私はタイへ向かいました。ちょっとうぬぼれていたんですが、私は絶対に受かると思い宮城の職場を退職してタイ入りを果たしました。チケットも片道チケット購入です。リュック1つとスーツケースで移住してきたわけです。

幸い友人も彼女と別れたばかりだったので、友人宅に2週間ほど居候させてもらいました。またタイ入り早々、ホテルの面接を受けました。

友人も一緒だったので良かったんですが、言葉がさっぱりわかりませんでした。英語もわからないのにタイ語なんてちんぷんかんぷんです。

そうこうしてあっさり内定をもらい、1週間後から出勤となりました。